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SS 牡丹灯篭

2013.09.10 (Tue)
 秋のせいでしょうか。



 最近すごくミステリが読みたい気がw


 深夜のロサンゼルス。

 路上で倒れた黒川さん(酷いw)

 
 犯人は誰!?

 
 誰もいないはずの部屋に帰りついた兄さん。そのとき!背後から飛び掛らんとする黒い影が!?正体は果たして────!?



 ……たぶん森永君だな(・∀・)


牡丹灯篭





「せんぱ~い!ただいま!……あれ?」
 ドアを開けるとリビングは静まり返っていた。
 クッションの位置さえ整えられたソファも、タッセルできれいにまとめたカーテンも、カウンターの上も、モデルルームのように乱れ一つない。キッチンも長く使った形跡がなく、流しはすっかり乾ききっている。ほとんど自分が出張で出て行ったときのままのようだ。
 じりじりと蝉の声だけが、誰もいない部屋に響いている。
 森永はあてが外れた思いで頭をかいた。
 長い出張からの帰宅だった。そろそろ18時をまわり、窓の外は暗くなり始めている。今日は早く家に帰れると聞いていたのに。実験が長引いているのだろうか。
 荷物を置きながら電話をしてみるが、電源が切れているのか通じない。
 不通のメッセージにため息をつきながら、そうだと思いついた。
 大学に直接迎えにいこう。久しぶりに学校の様子も見たい。
 気を取り直して、森永は大学へ向った。
 懐かしい廊下、久しぶりの実験室のドア。早く会いたい気持ちも相まって、勢いよく扉を開ける。
「せんぱ」
 そこは記憶にある実験室とはまるで違った。机の上には乱雑にプリントの束が積まれ、器具が並んでいたはずの棚は書棚に変わっている。埃をまとったフラスコやビーカーが数個、用なしとばかりに隅に寄せられていた。どちらかというと書庫か物置といった様相だ。
 間違えたのかと首を伸ばして廊下のプレートを見上げるが、いつもの実験室の場所に違いない。
 なんで?どうして……。
 人の話し声が聞こえて振り向くと、白衣姿の学生が二人廊下の向こうから歩いてくる。
「ごめん、ちょっと聞きたいんだけど……」 
 通りかかった白衣姿の二人の学生に宗一の所在を聞いた。が、二人とも顔を見合わせて首をひねった。宗一の居場所どころか、あの学内でも変人で有名人の巽宗一自体を知らないという。
 心臓がいやなぐあいに鳴った。
 再び携帯に電話するが、やはり通じなかった。
 なにかの間違い、ひょっとしてどこかすれちがって先に家に帰っているのかもしれない。
 森永は急いで家に戻った。
 リビングは先ほどと同じ、しんと冷えている。
 部屋も風呂もトイレも見たが、宗一の姿はない。
 電話……そうだ!松田家!
 慌てて携帯を取り上げる。
 ボタンを押す指が震えた。
『もしもし』
「かなこちゃん、先輩いるかな?」
『え?』
 開口直後に問われ、かなこの戸惑った声が返ってくる。
「お兄さんそっちにいる?」
『……』
「かなこちゃん?」
『かなこには、兄さんなんていないよ』
 間を置いて、低い声でかなこが言った。
 え────……。
 携帯を握る手から力が抜けた。
 そんな……。まさか……
『もしもし?森永さん?』
 宗一と出会ってから、これまでのことが走馬灯のように脳裏を駆け巡る。
 今までの全部が俺の妄想────?
「ただいまー」
 玄関からのんきな声がした。
「あーつかれた。実験長引いちまった。おう、森永。もう帰ってたんだな」
「せ、せんぱ……」
 森永は思わずその場にへたり込んだ。
「どうした?」
 宗一が首をかしげて見下ろしてくる。
「電話くらい出てくださいよおおぉ!!」








 
 兄さんのお答え。



その1.家事が面倒でずっと松田家にいた。
その2.実験室は少し前に変えた。
その3.いま他所の学校から研修生がきている。
その4.かなこと夕べ喧嘩した。



 (・∀・)アハ







 わかってしまえば単純なすれ違いだったのだ。
 しかし散々振り回された森永のやり場のない思いは収まらない。
「……責任とって下さい」
「はぁ?なんでだよっ。勝手にうろたえてたんだろうが」
「そんなんじゃ収まりませんからっ!俺を不安にさせた代償、ちゃんと、体で払ってもらいますから!」
「知るかっ!って、ちょ、離っ…あっ!どこ触って……っ」








 暗転(・∀・)
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