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SS 雨

2013.09.20 (Fri)
 短いですが(・∀・)


 かぶせ記事用にさらっと書いたものなので許してw





 『 雨 』








 さあさあと優しく撫でるような音は、子守唄に似ていた。



 重たいまぶたを開けて、はじめて雨が降っているのだと知った。

 
 濡れたガラス窓の向こうに、雨にけぶる庭木が映る。

 重たげに垂れた緑の向こう、霧のような細かな雨に包まれた町は、気だるく灰色に沈んで見えた。


 素肌にシーツをまいただけで、むき出しの肩が少し寒い。その分、抱きすくめられたままの背中が温かかった。


 耳元にかかる微かな寝息────意識するとこそばゆくて、小さく身をよじる。

 森永は目を覚まさなかった。代わりにむずがって、抱きすくめる腕に力をこめてくる。そうしながら、首筋に鼻をこすりつけるようにして、裸の足を絡めてきた。



 満足したような息をつき、ふたたび静かな寝息が始まる。
 
 


 
 
 軒先から雨垂れが、つと、線を引くように落ちていく。
 
 次々と落ちる線の先を、ベッドの上で抱きすくめられたまま、ぼんやりと眺めていた。
 




 ────何時だっ、け。



 ベランダの手すりにたまった水色の水滴が、リズムを奏でるようにぱたぱたっと落下する。


 小さくついた吐息は、気だるくまどろんで見えた。




 雨音と。


 規則正しい寝息。





 ────まあ……いいか。



 やさしい音色に抱かれながら。誘われるまま目を閉じる────。
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