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SS サンタクロース

2013.12.25 (Wed)
 *☆*Merry Xmas*☆*


 世間はイブだなんだと騒いでいるのに


 オレは仕事トラブルで泣きたいほど忙しいですボスケテ~


 せっかくだからなんか書こうと思ってたのに残業とか!コノヤロウ!(# ゚Д゚)


 なんかもう、やっつけ仕事でざかざか書いたのでちょい微妙な出来・・・。完成度には目をつぶってくださいw

 
 よければ追記からどうぞ┏○))ペコ








『 サンタクロース 』






 サンタクロース、いくつの頃まで信じてた……?







「もうあきらめろって、巴」
 呆れた声で言った宗一に、出窓の前にしゃがみこんだ幼い弟はふるふると首を振った。
「やだ。ぜったいサンタさんにあうんだもん」
 巴は眠い目をこすりながら、桟にしがみついて一生懸命に夜空を見上げている。
 その隣でしゃがんだ宗一は、頬杖をついて空をみあげた。
 今夜はクリスマスイブ。
 明りを消した子供部屋には、小さなクリスマスツリーがピカピカと赤や青の光を放っている。
 幼い二人は一緒になって毛布にくるまり、窓のそばでサンタの登場をいまかいまかと待ちわびていた。
 隣同士にくっついた弟の体がやたらに暖かい。
 再び見やると、巴は目をしょぼしょぼさせている。いまにも撃沈しそうだ。
「もう眠いんだろ」
「ねむくないもん」
 むう、と唇をとがらせながらも、すぐにこくりこくりと船をこぎ出す。
 宗一は何度目かわからないため息をついた。
 小学生ともなれば、サンタクロースなんていないことはとっくに知っている。
 あれはお父さんが変装して、こっそりプレゼントを置いていくのだ。
 さらには小学生ともなれば、いまだサンタクロースを信じている幼い弟の夢を壊すべきでないことさえも承知している。
 なので、一晩中起きていればサンタに会えるという弟の主張を真っ向から否定するのは難しかった。子供ながらに、そんなのは大人げないと思うのだ。
 弟はまだ三歳。どうせ一晩なんて起きていられないに決まっている。宗一だってひどく眠い。けれど、こうしてしばらく付き合っていれば、そのうち、ほら……。
 案の定、巴はいくらもしないうちに、宗一にもたれかかってスースーと寝息を立て始めた。
「……ともえ?」
 そうっと声をかけて頬をつついてみる。
 大丈夫だ、ぐっすり眠っている。
 その寝顔に、ほっと安堵の息を漏らした。あとは起こさないように、できるだけ静かにベッドに運ばなければ。これもまた一仕事だ。
 立ち上がりかけて出窓の方に目をやったとき、そこにいた青年と目が合った。
 宗一は驚きのあまり硬直した。だってここは二階だ。下は一階のひさしの屋根で、その屋根の上に、知らない大人の人がしゃがんでいるのだから。
 青年もびっくりした顔をしながら、「や、やあ」と手を振って引きつった笑いを浮かべる。
 青年は白い縁のついた赤い服とブーツ、お揃いの赤い帽子をかぶっていた。そうして大きな荷物を背おっている。
「ど、どろぼう……」
 目を丸くしたまま呟くと、青年はぶんぶんと首を振った。
「ち、違うよ!サンタだよ!」
 青年があんまり慌てた様子で言うので、呆然としていた宗一はようやくはっと立ち直った。
 急いで窓のカギに飛びついて、開いたままだったそこをしっかりと閉める。
「ああ、そんな!」と悲しげな声でいう自称サンタ青年を睨みながら、眠ったままの弟を毛布ごとぎゅっと抱きしめた。
「サンタなんているわけないだろ!オレ知ってるぞ!ふほーしんにゅーっていうんだからな!けいさつ呼ぶからな!」
 巴を引きずってじりじりと後ずさりながら言うと、青年は「待って!待って!」とひどく焦った様子で窓を叩いた。
「ほんとにサンタなんだよ!ほら、見て!ちゃんとサンタクロースの恰好しているでしょう?これだってプレゼントなんだよ?ね?ね?」
 言いながら、一生懸命袋の中身を見せてくる。宗一は自称サンタ青年をじろじろと見つめた。
 たしかに、大きな袋の中にはプレゼントの箱らしきものがたくさん入っているが。
 青年は黒髪に黒い大きな瞳。背は高いが体系もスマートで、近所に住む大学生のお兄ちゃんのみたいだ。絵本でみるサンタとはあまりにも違う。
「サンタクロースはもっとおじいちゃんなんだぞ。ひげだってないじゃんか!」
「俺はまだ見習いなんだよ。この業界に入って1年目で、まいったな……最初っから失敗だなんて」
 とほほと肩を落とすサンタ青年はあんまり悪人には見えなかった。顔も、いかにも人がよさそうに見える。
「はあ、これでもうサンタ業もクビか」
「……クビって?」
「子供に見つかったらクビにされちゃうんだよ。サンタ業界の掟は結構厳しいんだ」
「……兄ちゃんって、ほんとにほんとのサンタ?」
「そーだよ」
 サンタ青年が顔を上げて苦笑いした。
「君のいうようなひげのおじいさんもいるけれど、サンタは一人じゃないんだよ。でないと一日で全部の子供たちにプレゼントなんか配れないだろう?この辺の地区は今年から俺が担当になったんだ」
「ふーん」
 一応、青年の言うことには筋が通っている気がする。
 宗一は疑いの目を向けながらも、一歩だけ前に近づいた。
「……サンタなんていないと思ってた」
「信じている子のところにはちゃんと来るんだよ」
 窓辺にしゃがんだサンタ青年は、小首を傾げながらにこにこと笑っている。
「じゃ、オレのところには来ないんだね。だって信じてないもん」
「今も?俺のことをサンタって認めてくれたんじゃないの?」
「だって……」
 両手を広げる青年を、宗一はじろじろと見回した。ため息をついて肩をすくめる。
「お兄ちゃん、全然サンタっぽくない」
 青年がガクリと肩を落とした。
 膝を抱えて足元にのの字を書きながら、どうせ、どうせと呟きはじめる。そのいじけた姿は、とってもサンタっぽくなかった。
「大人なのに、いじけるなよ」
 すんすんと鼻を鳴らす音が聞こえてきて、ちょっと哀れに思えてきた。窓辺に近づいてしゃがんで顔をのぞき込む。
 サンタは鼻をすすりながら、「今日は先輩にも、お前はサンタっぽくないって怒られたばっかりなんだ」とつぶやいた。
「思い出したら悲しくなってきた。その上、子供に見つかったなんて知られたらなにされるか」
「怒られちゃうの?」
 心配になって尋ねると、サンタ青年は大きく頷いた。
「怒られるどころか、殴られて蹴られるよ」
「サンタにも怖い人がいるんだな」
「うん。だけど、でも先輩は怖いばっかりじゃないよ。とっても真面目で、ほんとはすごく優しい人なんだ。厳しいのも俺のためだし」
「ふーん」
「つまりは殴ってくるのも愛情の証ってわけなんだ。俺って実は愛されてるんだな」
 さっきまで泣いていたはずなのに、いつのまにかやに下がった顔でデレデレしている。
そのうちにサンタ青年は、訊いてもいないのに「俺の先輩」とやらがいかに素敵な人なのかを力説しはじめた。
 最初はうんうん聞いていてあげた宗一だが、だんだん面倒くさくなってきた。
 しゃがんだ膝に頬杖をついて、よそを向いてため息をつく。
 三回目の「俺の先輩」節を聞いたところで、うんざりした宗一は「もうわかったよ」と途中で遮った。
「お兄ちゃんのせんぱいって人がどれだけいい人かはもうわかったから」
「そうだよ!俺の先輩はすごくいい人なんだ!」
 サンタはいやに「俺の」の部分を強調して言う。
 宗一はうんうん、といい加減に頷きながら、それでと訊ねた。
「このままだとお兄ちゃんはクビになっちゃうって本当?」
「仕方ないよ。また一から修行してサンタになれるようにがんばるよ」
「そうしたら、来年はだれが巴のところにくるの?」
「誰か代わりのサンタがくるよ。今度こそ白いひげのおじいちゃんサンタかもしれないね」
 サンタ青年は少し寂しそうに笑った。
 宗一はその顔をじっと見上げた。
 長いひげのサンタが来たらすごいと思うけど、このサンタだって悪くないと思う。ちょっと間抜けだけど、近所のお兄ちゃんみたいで親しみやすいし。なにより、クビになっちゃうなんてかわいそうだ。
「ねえ、オレ言わないよ。サンタが来たって、オレがだれにも言わなきゃいいんでしょう?」
 サンタは目を丸くして、表情を明るくした。
「ほんとうに?ほんとに言わないでいてくれるの?」
「男ににごんはねえよ」
 宗一は真面目な顔をして、大きく頷いた。
「それに兄ちゃん、やっぱりサンタっぽくないしな」
 サンタ青年がガクッとこけた。
 それから苦笑いしながら顔を上げて、ありがとうと言った。
「じゃあね、これは巴君にプレゼントだよ。ここに置いていくからね」
 言いながら窓辺にそっと、赤い包みに金のリボンをした四角い箱を置く。
 宗一は窓におでこと両手をくっつけて興味深く箱を眺めた。
「何が入っているの?」
「秘密だよ」
 唇に指を立てて、サンタはウィンクした。
 それから荷物を背負いなおして立ち上がったサンタに、やっぱり自分の分はないんだなと宗一はひそかにがっかりした。サンタを信じてなかったんだからしかたない。
 今だってあんまり信じてなんかいないけど。でも……少しだけなら信じ始めているのに。
「ごめんね、宗一君には今年はプレゼントを用意してなかったんだ」
「べつにおもちゃなんか欲しくねーもん」
 宗一は腕をくんでそっぽを向いた。
 そうだ。期待なんか全然してない。もともと、子供だましのおもちゃには興味がないし。
「代わりに別のものをあげるよ」
 そういってサンタが両手を広げた。
 とたん、ぱっと夜空が光って、そこからちらちらと白い物が降ってきた。
 宗一は思わず目を丸くして立ち上がり、窓に張り付いた。
「雪だ……!」
 鍵を開けて身を乗り出し、空を見上げる。大きな雪の結晶が、真っ黒な空の向こうから、あとからあとから無数に降ってくる。遠くの屋根にも、庭の木の枝にも、あっという間に白い物が積もり始めた。
 絵本のように雪で真っ白なクリスマスなんて初めてだ。
 ふと気づくとサンタの姿が見えない。
 きょろきょろと見回すと、上から小さく鈴の音が聞こえた。
宗一は体を大きくのけぞらして、屋根の上の空を見上げた。今まさにそこから、ソリの影が夜空を滑っていくのが見えた。
 シャンシャンという鈴の音が遠ざかっていく。
 雪の降る中、トナカイにひかれたソリは夜空の向こうに小さくなって見えなくなった。
 
 
 
 
 朝の光に目を覚まして、宗一はあくびをしながら蒲団から起き上がった。
「……あれ?」
 気づけばベッドの中にいる。
 窓辺からサンタを見送って────そこから記憶がない。
 枕元には大きなプレゼントの包みが置いてあった。
 開けてみると、子供用の顕微鏡セットだ。
「んー……」
 眠そうな声に顔を上げると、向かいのベッドで巴が目をこすりながら起き上がるところだった。すぐに枕元のプレゼントの包みを見つけたようで、歓声をあげて起き上がる。
 巴は包みを開けようとしてふと窓の方を向き、その目がこぼれそうなほど大きく見開かれた。
「すごーい!ゆきだ!ゆきー!おかーさーん!」
 小さな腕にプレゼントを抱えて、子供部屋を飛び出していく。
 宗一は顕微鏡セットをベッドに置いて、窓辺に近づいた。
 真っ白な雪が一面を覆っている。朝の光が反射してひどく眩しかった。
 目を細めながら窓辺を見下ろすが、サンタの置いたはずのプレゼントが見当たらない。振り返って部屋の中を見回したが、赤い包みに金のリボンをかけた箱はどこにもなかった。
「……ゆめ?」
 巴といっしょにサンタ待ちをしているあいだに、眠ってしまったのだろうか。ならサンタが降らせたはずの雪も、ただの偶然なのか。
 けれど遠ざかるソリが残した鈴の音が、今もはっきりと耳に残っている気がした。それに自分が想像したにしては、ずいぶん具体的で変わったサンタだ。
 顕微鏡セットを持って一階に降りて行くと、巴は母にまとわりつきながら雪景色にはしゃいでいた。プレゼントのことを聞くと、持っている大きな包みを得意げに見せてくる。
 緑色のラッピングに包まれたプレゼントは、飛行機の模型だった。
「それじゃないの、もらわなかった?」
 巴は不思議そうに首をかしげて、少しの間考え込んでいた。
 それから嬉しそうにわらって、飛行機のパイロットになる夢を見たと言った。
 
 
 
 

 
 サンタクロース、いくつの頃まで信じてました?



 森永がそう訊ねてきたのは、嵐のような時間が過ぎた後の、ベッドの中でのことだった。
「サンタ……?」
眠気に気だるく聞き返すと、森永は宗一の素肌の感触を楽しむように撫でながらうん、と頷いた。
「俺は幼稚園くらいまでだったなぁ。兄貴がね、そんなのは親がやってるんだって、夢をぶち壊してくれましたよ」
「ひでえ兄貴だな」
「まあ、兄貴も子供な分、弟に知ったかぶりしたかったんでしょうけどね」
 シーツに包まって森永がくすくすと笑う。
 窓の外はしんとして、雪がちらちら舞っていた。積もるほどではないが、珍しくホワイトクリスマスだ。
ホワイトクリスマスといえば、子供の頃に一度だけ大雪に見舞われたことがあるなと思いだした。雪のせいで新幹線が止まり、出かけるはずだった父親が休みになったのだ。結局父親と弟と自分の三人で雪だるまを作ったり、雪合戦をしたりしたして一日遊んだ。あたたかな家の中では、まだ存命だった母親が昼食の準備をしていた。うつらうつらと夢半分に、シチューの香りがよみがえってくるようだった。
「先輩は、けっこう鋭いからなぁ。小さいうちからサンタなんかいない!とか言いそうだけど」
「……そうでもねえよ」
 掠れた声でつぶやくと、森永が以外そうな顔で瞬きした。
 まぶたを開けているのも辛くて、小さく吐息を付いて目を閉じる。
「先輩、ねむいの?」
「ん……」
 柔らかく髪を撫でられる。
 おざなりに返事返しながら、ふと、思い出し笑いが浮かんだ。
「なぁ……サンタって、どんなかお、してると思う……」
「うーん……ひげのおじいさんかな。…………せんぱい?」
 案外お前に似てるかもな。
 髪に優しいキスが降りてくる。
 宗一は心地いいまどろみに身をゆだねた。
 サンタのプレゼント。
 きっと今年も、最高の夢が見られるだろう。
 
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