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SS 福袋

2014.01.03 (Fri)
デパートに行ったら、ツンデレって書いた赤い袋が山積みになってるんですよ。


よく探すと、中には『ツンツン』って書いた袋もあるんです。



珍しいなと思って『ツンツン』を買って、家に帰って開けてみると中から玉のような兄さんがッ(*’∀’人)ワォ☆



福袋の話ですよ?(・∀・)



福袋に兄さんが…みたいな斜めな妄想を始める夜中の脳みそ☆in 深夜テンション


はよ寝ろというわけでうpしたら寝ますです。。。←うp前に力尽きたので今うpりますw





『 福袋 ツンツン 』






「…………」
「…………」
 二人は向かい合ったまま、しばらく無言でいた。
 テーブルにおいた福袋を開けた森永と、福袋の中から出てきた五歳くらいの子供とで。髪が長くて、目つきがやたら鋭い子供だ。真冬だというのに、素っ裸だった。
「ええと……」
 こめかみをかきながらしばし悩み、やっぱりわからないので本人に尋ねることにする。
「君は誰?」
「そーいち!」
「そーいち君ね……なんで袋の中にいたの?」
「ふくのかみだからな!」
「へぇ、ふくのか……え?意味わかんないんだけど……」
「だーかーらー、ふくのかみなの!」
 そーいちとやらは駄々っ子のようにテーブルをばんばん叩きながら、子供特有の甲高い声で言う。
 森永は困惑した。出現場所も素っ裸というのもおかしいが、言ってることもおかしな子供だ。
ふくのかみとは、福の神のことだろうか。それはまあ、そーいちが出てきたのは福袋の中からだが。なにかの洒落か。
(ひょっとして俺、なんかはめられてるの?)
 きょろきょろとあたりを見回すが、とくにカメラなどがあるわけでも、いたずら好きの友人が待機しているわけでもない。古くて狭い、いつものアパートだ。
「飲み込みの悪いやつだな。オレが福の神だって言ったら、そうだと思っとけばいいんだよっ」
 そーいちは短い腕をいっちょ前な風に組んで、鼻を鳴らした。
 小さいくせにずいぶんと偉そうだ。
「もういいから、早いとこ願いを言えって」
「はあ……ええと、とりあえず服着ようか?寒いだろ」
「そんなはどうでもいいって!三が日は忙しいんだからな!さっさとしねえと行くからな!」
「そうなんだ。わかったから、とりあえずコレ着て。ね?」
 やたら小生意気な子供だが、寒々しい格好が気になって仕方ない。森永はとりあえず、自分の着ていたジャケットを子供の肩に着せかけた。
 そーいちがむっとした顔で、それでも大人しくジャケットを羽織る。上目遣いで睨んでくるのでほほえみかけると、少しだけ赤くなって、なんだかばつが悪そうに下を向いた。
「へらへらしたヤツだな。悩みのなさそーな顔しやがって」
 テーブルを睨んだまま、そーいちがぶつぶつと文句を言う。
 森永は笑って肩をすくめた。
「全然ないわけじゃないけど。今はそーいち君の方が心配かな。お父さんとお母さんは?」
「ガキじゃねーっつーの。おまえがさっさと悩み事なり願いなりを言えば解放されるんだからな」
「そんな、子供に悩みを相談しろっていわれても……」
「子供じゃないってば!」
 小さい拳を握りしめて一生懸命主張してくる様は、どうにも微笑ましいばかりなのだが。
「そうだなぁ。じゃあ悩みは、一人ぼっちなのが寂しいことかな」
 苦笑いしながらそう言うと、そーいちは眉を寄せて首をかしげた。
「ひとりぼっち?」
「うん。実家はずっと遠いところだし、友達はいるけれど、一緒にお正月を過ごすような人はいないからね」
「いるだろ」
「え?」
 するりと長い腕が首にからんでくる。
 はっとすると、裸体の宗一が抱きついてきながら、森永の目をのぞき込むようにして小首をかしげた。
「オレがいるじゃないか」
「せ、先輩……?」
 森永は目を丸くした。
 だってさっきまで福の神のそーいちで、俺は九州から出てきたばかりで、福袋の中から出てきた小さな子供のはずだったのがなんで大人の先輩に……?
 宗一がまつげを伏せて、わずかに傾けられた顔が近づく。
 薄く開いた唇が触れあう寸前、「起きろ!この馬鹿っ」という声と同時に殴り飛ばされて目が覚めた。
「ハッ!えっ?先輩?福の神は?」
「なに寝ぼけてやがるこのアホがっ」
 顔を上げると、自分は絨毯の上に転がっていて、どうやらソファから落ちたらしい。
 目の前にはなぜか顔を赤くした宗一が仁王立ちしていた。髪をといていて、湯上がりのパジャマ姿だ。
「んなとこで寝てたら風邪ひくだろ。寝るならちゃんとベッドに行け」
「……なんか顎が痛いんですけど」
「おまえが悪いんだからな!殴られて当然だ!」
 ……落ちたのではなく、殴られて落とされたが正しいようだ。
 顎をさすりながら立ち上がると、宗一が警戒したように後ずさった。
 そういう反応はちょっと傷つく。
「俺なんかしました?」
「……いきなりひとを襲っておいて、てめえはとぼけるのかよ」
「えっ、ほんとに?ごめんね?」
 宗一はむっと口を引き結んだが、すぐにため息をついた。
「寝ぼけてたんだろ。もういい」
 言いながら床に落ちたタオルを拾い上げる。
 キッチンへ行って冷蔵庫を開けている宗一の背中をぼんやりと見ながら、どうやらほんとうに寝ぼけていたんだなと考えた。風呂上がりの宗一が、うたた寝していた自分を起こそうとして、寝ぼけた自分が抱きついたか何かしたのだろう。
「変な夢みましたよ、俺」
「ろくな夢じゃなさそうだな」
 冷たく汗をかいたペットボトルに口をつけながら、宗一が眉間にしわを寄せる。
 森永は苦笑いした。
 裸の宗一に抱きつかれたなんて言ったら怒鳴られそうだ。
「先輩が出てきて、一人じゃないって言うんです」
「ふーん」
 大分はしょって告げた森永に、宗一はのどを鳴らして水を飲みながら、気のない返事をした。
 口元をぬぐって冷蔵庫の方へと背中を向けながら、わざとらしいような咳払いをする。
「ま、初夢にしては悪くないんじゃねえか」
「ですよね」
 うっすら赤くなっている耳に笑いかけた。
 
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