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ss バレンタイン

2015.02.14 (Sat)
バレンタインですね!ってことに、ここに書き始めてから気づきました!14日じゃん!

ネコには今年もあんまり関係ないのです。関係なさ過ぎて忘れてたよw(・∀・)ウン!!

チョコとかあげるよりもむしろ貰いたいくらいだよ!ヵモ-ンщ(゚Д゚`щ)ヵモ-ン


森永君はもちろん用意しているでしょうよ。バリバリ本命チョコをさ!

ラッピングなんかにも気を使って、夕食にも気合いれて、渡すときもムードだして!甘いもんは嫌いだって兄さんに断られるに違いない(・∀・)

森永君に泣いたり縋ったり喚かれたりして、ようよう嫌そうな顔で食べるかもしれない(・∀・)

一口だけって泣いて縋られて、ホントに一口だけ食べて放り出す鬼な兄さんw高かったのにww

その食べかけのチョコを食べて、間接キスですねvなんて嬉しそうに言う森永君。

そして殴られる森永君(・∀・)まで妄想した!


追記は違うのUPろうとしてたけど、バレンタインだという事実に気づいて急遽書きましたw出来立てホヤホヤ☆一瞬別タイトル見た人いた?そっちはまたいずれの機会にw

せっかくのバレンタイン、森永君にも、もうちょっと幸せをあげようよ!というわけのssです






『 バレンタイン 』





 いくら森永だとて、この時期にチョコレートを買うのはそれなりに敷居が高いのだ。
 ピンクの風船やリボンで彩られた売り場で、甘い香りと女性達に囲まれてチョコレートを買うのは。
 迷ったが、結局最初に決めていたゴディバにした。以前教授にオヤツで出されたのを、宗一が珍しく食べていたから。
 ほんの数年前は、宗一にバレンタインチョコをあげるなんてとんでもなかった。気持ちを隠すのに精いっぱいで、ばれた後はもっと、いかにもなバレンタインチョコを贈るなんて到底出来ない。あの頃は幸か不幸かすぐに無かったことにされて、告白も日常に紛れてしまったが、チョコなんか贈ったら間違いなく引かれただろう。絶対受け取ってくれなかったと断言できる。
 でも今年は違う。何といっても恋人同士になったのだから。好きとは言ってくれないが、宗一だって二人の関係を認めているはずで、言ってくれないのは照れ隠しであり、そりゃあ森永の方が気持ちの比重は大きいが、間違いなく宗一も森永を思ってくれている。クリスマスも一緒だし、誕生日も互いに祝ったし、正月なんて家族ぐるみで森永をみとめてくれている風で(主に未来の妹が)、だから今年はなんの気後れもなくチョコレートを差し出せるわけで、宗一からのチョコなんてそんな、さすがにそこまで大それた期待はしてないが、もちろん宗一は森永からの心のこもったチョコレートを微笑んで受け取ってくれる、
「いらん」
 ──はずだった。のだけど。
 チョコの箱を差し出した形で、森永は固まる。
 宗一はこちらを振り向きもせずに、テーブルに置いたノートパソコンの画面を見つめたままだ。平然としたままキーボードに指が走る。全く、少しも、森永の手の中のチョコに興味なんて皆無だとその態度が言っている。
「……い、いらないって、バレンタインのチョコですよ!?」
「甘いもん嫌いなの知ってるだろうが」
 嫌そうに言って、ようやくちらりとこちらを見る。ラッピングされた綺麗な箱を一瞥して、うんざりと顔をそむけた。
「ちょっと!ひどいじゃないですかそんな態度!」
「甘いもの苦手なの知っててチョコなんて押し付けてくるお前の方がひでえだろうがっ」
「そ、そりゃ、……でも、バレンタインなんですよ!美春さんのは受け取ってたじゃないですか!」
 もちろん義理です、とにっこり笑って、美春は宗一の他森永と田所にも渡してきたのだ。
 森永は苦笑いして礼を言い、宗一の方は億劫そうに受け取っていた。
 家に帰ってから「お前にやる」と渡されたが、そんな態度とはいえ、宗一がチョコを受け取るのは珍しかった。一緒の研究室で過ごした数年間、稀に当たって砕けろとばかりにチョコを手に宗一に挑んでくる女子学生もいたのだ。そのときも今の森永に対するように、甘いものは嫌いだとけんもほろろに断っていた宗一の姿を思い出す。脇で見ていた森永は内心でほっとしつつも、食の好みの問題じゃないんじゃと相手の女子学生に若干同情を覚えたものだ。
 そこまで考えて不意にハッとした。
「まさか先輩……」
 振り返った宗一は、胡乱に森永を見つめてくる。
 森永は息を飲み、恐る恐る言った。
「バレンタインがなんなのか知らないんじゃ……?いだっ」
 とたん、ズビシとチョップを食らった。結構痛かった。
「バカにしてんのかてめえは」
「で、ですよねー!ああびっくりした」
 特に恋愛方面のことに関しては意外なところで意外なことを知らない宗一なので、ひょっとしてあるいはと思ったが、さすがにこれだけ世間が騒ぎ立てている一大イベントは知っていたらしい。
 しかし、ならば尚更問題だ。
 森永は眉間に皺を寄せる。
 曲がりなりにも恋人であるはずの自分のチョコが、なぜ過去の見知らぬ女子学生のチョコと同じ扱いを受けているのか。
 ずいと、強引にチョコの箱を押し付ける。
「わかってるなら貰ってくださいよ」
「いらねえって」
 ぐいと、箱が押し戻される。
 再び負けじと押し付ける。
「これは俺の気持ちそのものなんですよ!」
「余計いらねえ!」
「ひどい!なんでですか!?」
「変なもん入ってそうだ」
「入ってるのは俺の気持ちですってばっ」
「食あたり起こしたらどうしてくれるっ」
 二人の間で、ぐいぐいとチョコの箱が押しつ押されつ行き来する。
「とにかくいらねえって!俺は食わねえからなっ」
 やや乱暴にチョコの箱が押し戻されたとたん、ラッピングの端が無残にひしゃげた。
 あ、とどちらともなく呟きが漏れる。
 森永は少しひしゃげた手の中のチョコの箱を見詰めた。いらないと押し戻されたチョコレートは、自分自身のような気がした。
 本当は、なんとなくこうなるような予感もしていた。宗一が甘いものが苦手なのは知っていたし。それでも、籠った気持ちを見越して受け取ってくれるはずだと甘い期待を持っていた。きっと過去に渡せなかった分、浮かれていたのだ。
「・・・・・・そ、そうですよね。先輩甘いの苦手ですもんね」
 無理矢理口の端に笑みを浮かべて、おずおずと箱をひっこめた途端、宗一が小さくため息をついた。
 顔を上げると、壮絶に不機嫌な顔で手を差し出される。
「寄越せ」
「え……でも」
「ぐずぐず言ってねえでさっさと寄越せっ」
 ほとんど奪い取るようにして箱をもぎ取ると、乱暴な仕草で包装紙を破った。
 黙って見ている間にどんどん包みを剥いて箱を開けていく。円状に綺麗に並んだとりどりのチョコレートを、宗一は親の仇でもみるように眺めた。
「……あの、無理しなくても」
 思わず脇から口をだすと、ぎろりと睨まれた。
 はずみで森永はへらりと笑う。
「受け取ってくれたってだけで嬉しいから」
「食わせるために寄越したんじゃねえのかよ」
「まあ、食べてくれたら嬉しいけど。いいですよ、俺チョコ好きですし」
「自分で買って自分で食べるのかよ。不毛な奴だな」
「はは……」
 そのとおり、最初からほとんどは自分が食べることになるだろうとは思っていた。
 ホント自己満足じゃないかと、情けなく笑って首筋を掻く。
「一応ね、前に先輩食べてたチョコを選んだんですよ」
「そんなことあったか」
「福島教授が頂き物だって出してくれたことあったでしょう。わりと美味しいって言ってたじゃないですか」
 森永の言うエピソードが、宗一はすぐには浮かばないようだった。馬にまたがる女性のロゴをしばらく眺めて、ようやく思いついたようだ。ああ、と小さく呟く。
「何年も前だろ、それ。よく覚えてんな、そんなの」
「片思い期間長いですからね」
「お前も大概しつこいよな」
 言いながら宗一が、ハート型のチョコをひょいと口に放りこんだ。あ、と声を上げる暇もなかった。
 宗一は眉間に皺を寄せてしばらくもぐもぐ口を動かした後、ごくりと飲み込んだ。
「甘い」
 うんざりといった様に口を押えて言う。
 あっけにとられている森永に、チョコの箱を押し付けてきてソファを立った。
 森永は一つだけ減ったチョコの箱を眺めた。
 振り返ると、キッチンカウンターに立った宗一がコーヒー豆の瓶を開けている。
「先にコーヒー淹れりゃよかった」
「あ、俺いれますよ」
 チョコを置いて宗一の隣に立つ。
「おう、サンキュー」
 瓶を渡してきながら宗一が言ったとたん、ふわりとチョコレートの匂いがした。
 思わず微笑みながらコーヒーの準備をしていると、なんだよと宗一が怪訝そうに訊いてくる。
「今キスしたらチョコ味かなって」
 べしっと後頭部を叩かれた。
 後ろ頭を撫でながら振り返れば、宗一はなにやらぶつくさ言いながらソファに凭れて座りなおしたところだった。
 改めてパソコンに向き直り、テーブルに置かれた残りのチョコに嫌な顔をする。ちらりとこちらを見やってから、ずずいとテーブルの向かいに箱を押しやった。
 それから何事も無かったような顔で、データ入力に集中し始める。
 森永のいつもの席の側に押し付けられたチョコの箱は、ハートのところだけ空っぽだ。
 ──一つだけだったその形を選んだのは、きっと深い意味はないんだろうけど。
 森永はいつもよりも丁寧な手順でコーヒーを淹れることにした。メーカーはやめて、ハンドドリップの用意をする。
 やがて香ばしい香りが部屋中に漂いはじめた。
「センパイ、コーヒー入りましたよ」
「おう」
 向かい合ってコーヒーを啜る。
 宗一の目は相変わらずパソコンの画面に、森永は残りのチョコをつまみながら邪魔しないよう雑誌を開いた。
 そんなふうにいつもと変わらない、ただしほんの一口分だけ特別なバレンタインの夜は過ぎていった。
 
 
 
 
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| 2015.02.15 08:31 | 編集
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